MEDICAL SCOPE
マタニティケアに精神科医の参加を!
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.436
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901027
- 有料閲覧
- 文献概要
今年の2月,「神奈川県母性衛生学会」の学術集会が開催されましたが,そのときのシンポジウムに妊娠・分娩と精神科的な疾患のかかわりあいやケアの問題がとりあげられました。
妊娠・分娩と精神科的な疾患というとすぐ頭にのぼるのが,マタニティブルー,産褥精神病,産褥性うつ病ということばです。たしかに,これらの疾患名が示すように分娩後に発症するものが多く,その早期発見のための褥婦のチェックで忘れてはならないのは睡眠の良否であるということは皆さんもすでによくご存知のはずです。分娩後の一時期はお産の疲れと新生児の育児の疲れのためにぐっすりと眠り込んでしまうのが通例ですが,これらの精神的症状を示す症例ではほとんど眠れないのです。両眼を大きく開いて,らんらんと眼を光らせている異様な光景に私たちははっとさせられますが,そのほかにも気をつけていると精神症状がでてくるものです。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.