特別寄稿
―シンポジウム―「マタニティケア政策をめぐる国際比較」を開催して
松岡 悦子
1
1旭川医科大学
pp.608-614
発行日 2007年7月25日
Published Date 2007/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101047
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「産もうとしても,身近にお産をする場所がない」
「助産所が,医療法第19条のために廃業に追い込まれるかもしれない」
これは,いま産みたいと思っている女性たちにとって切実な問題だ。女性たちが産もうと思っても身近に産み場所がなく,しかもお産を助ける助産師の職が奪われようとしているとなれば,これは政府が人々を少子化に誘導する政策かと思うだろう。ところが,政府は出産を増やしたいと思っているというのだからややこしい。産む環境を整えてこそ,産みたくなる人が出てくるというのが本筋なのに,産みにくくしておいて「産みましょう」というのでは,矛盾した政策ということになってしまう。
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