連載 BFH認定をめざして チームで支える母乳育児・6
未熟児室・NICUでの母乳育児支援
斉藤 恵美
1
,
赤山 美智代
1
1日本赤十字社医療センター未熟児室
pp.818-827
発行日 2009年9月25日
Published Date 2009/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101514
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はじめに
「これだけ搾れました。少しでも母乳が出るようにしたい。私がこの子にできることだから…」と保育器の前でわが子の顔を見ながら搾乳しつつ話してくれた母親。カンガルーケア中,胸に抱かれ口をもごもご動かしている児に,「私のおっぱいを欲しがっているのかな。早く飲めるようになってね」と話しかける母親。出産までの経過や背景はさまざまであるが,周産期全体で母乳育児支援に取り組むなか,母乳を通して,わが子とのつながり,親としてのかかわりを喜ぶ姿が未熟児室で目にされることが多くなってきたと実感する。
日本赤十字社医療センターのNICU・GCU(以下,未熟児室)は,NICU12床,GCU40床,計52床の,都内でも有数の病床数を抱える。早産児,低出生体重児などをはじめ先天性心疾患,外科疾患児,先天異常児,その他の病児が入院している。2008年の入院数は,院内出生(母体搬送含む)487名,新生児搬送130名の計617名であった。
今回は,未熟児室での母乳育児支援の取り組みについて紹介する。
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