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―シンポジウム開催レポート―二分脊椎女性のリプロダクティブヘルス/ライツ―思春期からの月経と性の健康
野田 洋子
1
,
小野 敏子
2
1岐阜大学医学部看護学科
2川崎市立看護短期大学
pp.246-247
発行日 2009年3月25日
Published Date 2009/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101401
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二分脊椎女性のリプロダクティブヘルス/ライツ充実をめざして
リプロダクティブヘルス/ライツは,1994年の世界人口開発会議においてその理念が提唱されて以来,女性の健康,QOLの重要な側面として我が国においても広く捉えられてきました。しかし二分脊椎女性にあっては,生命の予後に対する心配や,排泄の問題,歩行の問題に焦点が当てられ,月経やセクシュアリティについての検討はほとんどなされてこなかったというのが実情です。
私たちは,2006年度から『二分脊椎女性の月経と性の健康に関する包括的ケアプログラムの開発』という課題で3年間の科学研究費補助金を受けましたので,『二分脊椎症協会』のご協力を得て,二分脊椎女性の月経や性に関する悩みや問題を明らかにするための実態調査を行なってきました。また,英国のChelsea & Westminster Hospitalで行なわれているDr. Richard Morganの「二分脊椎の学際的クリニック」を視察し,多職種の医療専門職が包括的,継続的に治療ケアに携わることの重要性を認識しました。
今回のシンポジウムは,思春期から性成熟期にある二分脊椎女性の月経と性の健康について,これらの女性と家族そして医療関係者が一堂に会し,その問題やケアについて考え,今後のケアの方向性を探るための一助となることを願って企画したものです。2008年11月29日(土)五反田ゆうぽうとにて,約30名の参加者を得て開催された本シンポジウムの内容を,簡単にご紹介します。
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