COLUMN
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
福島 富士子
1
1国立公衆衛生院公衆生看護学部
pp.1030-1031
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902319
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「健康」と「権利」のキーワード
リプロダクティブ・ヘルス(reproductive health)は1978年のアルマ・アタ宣言の健康の定義にしたがい,1991年にWHOのFathallaによって「生殖の過程に単に病気や異常が存在しないというだけではなく,身体的・精神的および社会的に完全によい状態(ウェルビーイング)でいること」と提唱されたものである。
その後,このキーワードは1994年9月,エジプトのカイロで開かれた国連主催の国際人口開発会議(通称カイロ会議)において,家族計画が「人口の数」ではなく,「個人」1人ひとりの意志や権利を尊重する視点から見直され「リプロダクティブ・ヘルス/ライツの確立を目指し,近代的家族計画を普及させる」という行動計画が採択された。その行動計画では「リプロダクティブ・ヘルスとは,人間の生殖システム,その機能と(活動)過程のすべての側面において,単に疾病,障害がないというばかりでなく,身体的,精神的,社会的に完全に良好な状態にあることを指す。したがって,リプロダクティブ・ヘルスは,人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ,生殖能力を持ち,子どもを産むか産まないか,いつ産むか,何人産むかを決める自由を持つことを意味する」と定義づけられ世界に認知されることになった。
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