連載 りれー随筆・282
2年越しの大晦日
小関 真澄
1
1都立梅ヶ丘病院
pp.570-571
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101246
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小児精神看護へ
私の勤めている病院は,小学生から高校生までの,こころの病気を主に扱う児童・思春期精神疾患の専門病院である。
3年前に,成人を対象とした精神病院を退職して小児精神看護に転職した私は,ただ,すこしでも楽しく仕事ができるように,そう願って仕事に就いた。前の職場である精神病院で,急性期看護をしながら,日々先の見えない壁にぶつかることの多かった私は,そこで出会った小学6年生の男の子に救われた。強迫症状に駆られ,食事もままならない彼であったが,自分の夢を語り,年上の患者さんたちの影響を受けて,おしゃれにめいっぱい気を配っていた。その姿は,未来に絶望する彼らのなかで,とても生き生きとして新鮮だった。恐らく,彼との出会いが私を小児精神看護に導いてくれたきっかけだったと思う。
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