発行日 1953年10月15日
Published Date 1953/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909415
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“どうしてお空は蒼いの?” “どうして雨が降るの?” “どうして赤ちやんがうまれるの?”というなぜなぜの質問は,きつと幼稚園年令の子供達のもつ最も大きな関心事で,これは物ごとを少しずつ理解しはじめた頃の,あれもこれも不思議で,何でも知り度い知識慾にかられているごく自然の要求であつて,純粋な精神であります。
この時に,相手を満足させるだけの上手な返事をすれば,子供は一応納得して,更に其の次の段階に成長していくものなのでありますが,返事をしぶつたり,充分にわからせなかつたり,思わせぶりな返事の仕方をしたりすると,自分で満足しないばかりでなく,知つてはいけないことなのであろうと,実に敏感にかんじてしまい,それは更にその先きに,それなら尚更知り度い,何とかしてわかり度いとの思いにつながり,何か普通でない,特別のことを秘に期待して,それを知ろうとするように曲つていつてしまいます。これは一種の好奇心と云えましよう。
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