特集 保健活動のパラダイム・シフト
[私自身のパラダイム・シフト]
自分を知って自分を変えると,人も地域も動きだす
門川 次子
1
1熊本県蘇陽町福祉課
pp.984-985
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901461
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保健婦だけで健康づくりは出来ない
保健婦になって19年目になりますが,私の保健婦活動が大きく変わったきっかけは熊本県のモデル指定を受けたことから始まりました。それまでの保健婦活動は私なりに一生懸命やってきたつもりでした。しかし,一生懸命やってきたことが,住民はもちろん行政職の人たちにも理解されてなかったことを私に気づかせてくれたのが,このモデル指定を受けて健康づくり構想書を作成するための話し合いだったのです。
いま,当時を振り返って考えてみると健康づくりの計画,実践,反省などは保健婦だけで行っていたように思います。だから衛生係の人は,保健婦のお手伝いとしか思っていなかったようでした。健康づくり構想書作成のための話し合いで「健康づくりのことは,保健婦しかわからんもんなあ。しいていえば,受診率をあげることかなあ」と言っていた衛生担当や課長の顔がいまでも目に浮かびます。そのような状況だった会議も衛生担当者が「健康づくり活動はわからんけど,健康な地域づくりのことだったら少しは意見がいえるけどなあ」と言ったことで話が少しずつ進みはじめました。
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