連載 メガコードで学ぶ新生児蘇生の基本・7
分娩室外での蘇生と出生後時間が経過した場合の蘇生
赤平(東) 百絵
1
,
井上 信明
2
1旭川厚生病院小児科
2ロマリンダ大学医学部救急科小児救急部
pp.892-896
発行日 2007年10月25日
Published Date 2007/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101099
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新人助産師かずみの新生児蘇生物語……第7幕
[事例1]分娩室外での蘇生
稲葉さんとかずみは,ストレッチャーに横たわって分娩室に搬送される途中の妊婦に遭遇した。同僚の助産師によると,在胎34週で分娩発来のため来院する途中,自家用車のなかで破水したという。子宮口も開大しており,急いで分娩室に向かうところである。しかし,妊婦の様子がおかしく,いきみを必死にこらえている。稲葉さんは分娩が急に進んでいると確信した。
「急いで救急室へ向かい,そこでもう一度診察してみましょう」
稲葉さんは瞬時に,一番近くて蘇生用具の整っている場所を選んだ。そして,同僚の助産師に,救急室に行き蘇生カートから蘇生用具を準備することと,産科医・新生児科医を呼ぶことを頼んだ。かずみはストレッチャーを押し救急室へ向かう。ストレッチャーを押すかずみにとって,救急室までの距離は遠く,永遠に続くように感じられた。稲葉さんは,妊婦に声をかけ励ましている。妊婦が大きなうなり声を上げると同時に救急室に到着した。
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