特集 新生児の蘇生―アメリカNRP2006ガイドラインの紹介
新生児蘇生法の実際
①出生直後の評価と蘇生処置/蘇生のフローチャート―NRPにもとづく蘇生の手順
井上 信明
1
1ロマリンダ大学医学部救急科小児救急部
pp.98-99,100-109
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100947
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はじめに
新生児蘇生プログラム(Neonatal Resuscitation Program:NRP)は,米国小児科学会(American Academy of Pediatrics:AAP)と米国心臓学会(American Heart Association:AHA)が共同で作成した,出生したばかりの児を対象とする蘇生ガイドライン,および,その講習会です。実際にガイドラインづくりが始められたのが1985年ですので,もうすでに20年近い歴史があり,現在は2005年のガイドライン改定(Consensus 2005)をもとに作成された第5版のテキストが講習会で使用されています。この間,米国内で200万人近い人たちが講習会を履修してプロバイダーとして認定されており,また90を超える国々の新生児蘇生ガイドラインのモデルとなっています1)。現在,日本でも第5版のテキストの日本語訳が出版され,Consensus 2005に則った日本の新生児蘇生法の歴史が幕を開けようとしています。その詳細については別稿に譲り,ここでは主に「出生直後の児の評価と処置」について解説したいと思います。
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