連載 新生児理解のための基礎講座・6
出生直後の適応生理と蘇生術
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学・母子総合医療センター新生児部門
pp.804-809
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206727
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今まで繰り返し,繰り返し述べてきたように,人間の長い一生のなかで出生の時ほど人間が死の危険にさらされることはありません。その理由は,新生児の特徴の1つとしてあげたように,われわれの祖先が3億年前に数千年もの過程をへてようやく海から陸へ上り,水中生活から陸上生活へ適応したその過程を,出生という一瞬の間に成し遂げてしまわなければならないからです。
本項では,その出生の際に起こる生理学的変化を理解し,合わせて新生児医療の実際のなかで最も大切な事柄の1つである出生時の蘇生術についても述べましょう。
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