今月の臨床 産科外来検診マニュアル
妊娠後期
51.妊婦のマイナートラブル
伊藤 博之
1
Hiroyuki Ito
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.615-617
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901306
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妊婦の訴える愁訴はきわめて多く,それらは妊娠によって生じたホルモン,代謝,呼吸循環,物理的な負荷によって発症するが,妊娠の経過や胎児の予後にはあまり影響を与えない。しかも愁訴の大部分は分娩の終了とともに自然に消失する。そのため,これらの愁訴はマイナートラブル(minor troubles)といわれ,あまり問題にされないまま放置される傾向にある。しかし,妊婦自身にとってはけっこう不快であり心配の種でもある。さらに,愁訴のなかには重大な疾患の前ぶれとしてのサインであることもあり,その鑑別には慎重を要する。
本項では,産科外来でマイナートラブルを取り扱う上での留意点(表1)と代表的な愁訴のいくつかについて,その原因と対策(保健指導)を述べる。
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