連載 とらうべ
受け入れるということは,ただただ聞くことから
安積 遊歩
1,2
1CILくにたち援助為センター
2再評価カウンセリングの会
pp.1031
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100866
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- 文献概要
幼い頃の記憶の中で,私はいつも泣いていた。それもしくしくではなく,泣き叫ぶというか泣きわめくという泣き方だった。涙の後ろにはいつも激しい怒りがあった。怒りの正体は私の身体に対する大人たちのひどい取り扱いと,そこから来る痛みによるものが主であった。
もちろん,もろい骨に生まれついた身体だったので,ちょっと転んだだけで骨折が起こり,その痛みも激しかったが,怒りはその痛みを通り越して大人たちに向けられたものだったと思う。骨折だけであまりに痛いのに,その足を動かしてギブスをはめようとする医者やレントゲンを撮ろうとする技師,そして彼らの指示に従って痛みを軽減するどころか増強するような振る舞いの看護師たち。私の怒りはとどまることなく彼らに向かった。
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