【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第16話
運命を受け入れられない医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.931-936
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203295
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
患者は83歳・男性、教育部長・吉田の父である。昨年末から手足が効かなくなったり、むせやすくなり、整形外科・脳外科・神経内科で診察を受けたが、特に診断はついていない。パーキンソン病は否定されており、「高齢だから」というのが神経内科の診立てだった。そこで吉田が黒野に相談に来たのだ。実際に診察した筧に、黒野は「加齢か病気か」と問うて…。
「診断エラー」とは、どの時点でそれをエラーというのだろうか? 初療時に診断がつかないことはままあるし、その後、当初の診立てが異なっていたと徐々にわかってくることもある。時に、それが取り返しのつかない結果を招くこともあるだろう。今回のタイトルは「運命を受け入れられない医者」だが、果たして運命とは? そして今回、運命を受け入れられなかったのは?
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