特別記事
―[対談]「お産」と「武道」の不思議な接点―“身体知”を取り戻す(後編)
内田 樹
1
,
三砂 ちづる
2
1神戸女学院大学文学部総合文化科学
2津田塾大学学芸学部国際関係学科
pp.996-1002
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100859
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敵意はサラリと受け流す
内田 着物はこれから自分が動く距離,その間に人がどれぐらい移動するかを洋服よりもたくさん考えないといけないんですね。あそこで袖がひっかかるといけないから,たもとを持とうとか。昔の人は刀をさしているから,左側の腰のうしろに60cmぐらいのでっぱりがある。これが物にあたることは「鞘当て」といって「無礼者!」と言って斬っちゃってよいことになっていましたし。
三砂 身体感覚を広げていくことを,オカルトみたいに捉える人もいますけど,車を運転しているときには「車幅感覚」ってありますよね。要するに自分の身体感覚をそこまで広げているわけです。
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