特別記事
[対談]助産婦の研究はお産の真実を語る
マーズデン・ワーグナー
1
,
三砂 ちづる
2
,
戸田 律子
1元:WHOヨーロッパ地域事務局母子保健部
2国立保健医療科学院応用疫学室
pp.502-506
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902896
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なぜ研究が必要なのか
三砂 ワーグナーさんは,WHO(世界保健機関)のヨーロッパ地域事務局で,長く公衆衛生,中でもマタニティ・ケアに取り組んでこられましたが,助産婦と研究の関係についてどのようにお考えになりますか。
ワーグナー 公衆衛生というと清潔な水の確保やゴミ問題を思い浮かべる人がいますね(笑)。もちろんそれも大切ですが,今はヘルスケアサービスの評価が大きな役割です。EBM(科学的証拠に基づく医療)のための研究と実践を通して,公衆に対して説明責任をはたすことが重要です。助産婦にとっても,エビデンスに基づく説明をするのが重大な仕事となっています。医師や助産婦が独断で診療を行なったり,「それは複雑すぎて」とか「技術的なことなので」と説明を逃れることは,もはやできないでしょう。日本でも医療の透明性は,ますます求められると思います。
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