連載 りれー随筆・236
あたりまえの小さな幸せ
北野 恵美
1
1助産師(栃木県)
pp.744-745
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100807
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人生半ばで立ち止まる
今年はじめて,ツバメが我が家に巣を作りました。ツバメの夫婦が忙しく飛び交い,時にはベランダから家の中まで入って来て,目と目が合うほど近くまで飛んできます。この辺りは,田園風景が広がる緑多いところで,毎年たくさんのツバメがやってきます。「ツバメは幸せを運んで来る」と言われていますが,なんだか家族が増えたようで,わくわくしながら娘と眺めています。
私は,助産婦学校を卒業してから,病院と看護学校に勤務してきましたが,昨年退職しました。結婚15年目でやっと母親になることができ,今は育児に専念しています。まだ1年しか経っていないのに,もっと長い年月が経ったように感じます。ふと気づくと,人生の折り返し地点に来ていました。今だからこそ,ちょっと立ち止まってまわりを見渡してみるのもいいかなと思っています。40歳で人生をリセットする機会を得たのも,妊娠・出産が予定より遅くなったおかげかもしれません。
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