特集 「技術教育」のあり方を考える
現場の問題点を整理する
③助産教育のあり方と臨床現場の問題点
田中 春美
1
1大阪大学医学部附属病院分娩育児部
pp.217-220
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100688
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
大阪大学医学部附属病院の周産期部門の有資格者は全員助産師であり,私を含めて21名の助産師が在籍している。4年制大学において助産教育を受けた者が6名,1年課程で助産教育を受けた者が15名である。3交替勤務の中でプライマリーケアを行なっており,妊婦,産婦,褥婦,新生児(重症児を含む)が助産および看護の対象である。大学病院であることから母体搬送や新生児搬送を受け入れながら,夫の分娩への立ち会いや母子同室,退院後の母子を対象にした母乳外来を実施している。また,継続ケアの一環として妊婦健康診査,両親学級,産褥健診,生後1か月の乳児健診を外来の助産師とともに実施している。年間の分娩数は,ここ数年約600前後で推移している。
当院は従来から助産実習施設であり,大阪大学における助産教育が1年課程の医学部附属助産婦学校から4年制大学である医学部保健学科に移行した後も,実習学生を受け入れている。
このような部門で新人を受け入れ,求められる助産業務が遂行できるような助産師育成を目標とした卒後教育を行なう立場にある者として,また実習施設として助産学生と直接かかわる立場にある者として,さらに数年間ではあるが1年課程と4年制大学の両方において助産教育に携わった経験がある者として,現在の助産教育のあり方や問題点について私なりに考えてみたい。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.