ケース・レポートを読んで 産科医の立場から
産科救急の問題点とその解決のあり方
竹村 喬
1
1大阪逓信病院産婦人科
pp.410-413
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204903
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1.はじめに
わが国では,治療医学に重点がおかれ,予防医学的な要素の多い妊娠・分娩は「案ずるより生むがやすい」という社会通念のためか,ややもすれば安易に考えられやすく,救急といえば,概念的に交通災害などの外科救急と解されがちである。
しかし,診療の実際では,分娩時の大出血や子宮外妊娠,麻酔事故など,予期しない緊急事態がいつおこるかわからない。しかも分娩は母児2人の生命を周囲が期待しているので,ささいなことで医事紛争にもつらなりやすく,救急体制の不備もからんで,産科救急をめぐって多くの問題点をかかえている。
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