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特集 卒後教育・臨床教育
臨床教育のあり方・総論
Principles of Clinical Education for Physical Therapy Students
福屋 靖子
Yasuko FUKUYA
pp.17-23
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101607
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はじめに
日常生活動作自立を目標としてリハビリテーション医療の援助を受けている患者が,PT・OT室での日常生活動作評価ではすべて「自立」と評価されても,家に帰ってからの[常生活動作が自立するという保障にはけっしてなり得ない.日常生活動作の自立のためには,実際に日常生活を常む場所の環境及び補助器具の整備・患者及び家族の病気及び障害の理解の程度・心理的状態等を把握した上で,何らかの形での退院時指導及び退院後の管理が必要である.家庭訪問が必要な場合もあるし,外来通院による指導,援助が必要な場合もある.
臨床教育の必要性を考えた場合に,患者の日常生活動作の自立を達成するまでの過程とある意味では似ていると云える.学校で学んだ知識・技術を理解し習得できても,実際の臨床の場で適用できるかどうかは未知である.その未知の分野,すなわち,まだ経験していない新しい分野に挑戦するという機会が,臨床教育で与えられる.真の学習とは,既に学んだことを実際の場に応用することによってはじめて習得できるものである,と云われている.
APTA1)(American Physical Therapy Association)では臨床教育について次のように規定している.臨床教育とは,学生が,知識を統合し,完成することを学習するように設定された臨床の場であり,理学療法教育の中で最も重要な過程である.また,臨床教育は,学生であることから,臨床家になるための道を提供している,とも述べている.
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