小特集 病院歯科の現状と課題
一般病院における歯科の問題点とあり方
岩坪 昤子
1
Reiko IWATSUBO
1
1京都市第一赤十字病院歯科
pp.299-303
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207990
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従来,病院における歯科は,病院内における美容院的な存在で,設備は古びていて,スタッフも少なく,病院の片隅にひっそりと存在し,病院職員へのサービスが主な仕事であるというイメージが強い.あるいは口腔外科を得意とするところでは腫瘍,顎骨々折などの紹介患者だけ引き受ける.そのどちらかの傾向が強かったように思われる.
1974年,75年ごろ,歯科疾患と歯科医のバランスがとれず,患者があふれ,いわゆるデンタルパニック状況が生じた.また,新しい技術や材料の導入により,治療費の高額化から,受診困難となった患者が,公的病院に殺到するという現象が生じ,歯科医全体に,歯科医療のあり方が問われるようになった.以下,私の体験を通じて,一般病院における歯科の問題点とあり方を考えてみたいと思う.
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