特集 「ナラティヴ」を読む
「助産師の心,師長の気持ち」を読んで
武井 麻子
1
1日本赤十字看護大学
pp.837-839
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100607
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「周産期のナラティヴ」というタイトル
『助産雑誌』57巻4号の「周産期のナラティヴ」という特集タイトルは実に奇妙である。子どもを産む女性の語りかと思えば,そうではなく助産師の語り(?)である。とすれば,「周産期」というのは看護する側にとって意味のある言葉なのだとわかる。実際,「周産期」という言葉を知っている妊婦や褥婦がどのくらいいるのか……。
なぜ,こんなことに最初から引っかかっているのかといえば,この特集が何を狙っているのか分からなかったからだ。同号に小森康永氏が書いているように,看護職者や医療者のナラティヴというとき,たいていはある事例の物語となる。それはクライエントについての物語であると同時に語り手である看護職者や医療者自身の物語でもあり,さらには聞き手の物語とも重なってくる。
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