特集 骨盤位外回転術
外回転術の実際
田宮 親
1
1田宮クリニック産婦人科
pp.543-546
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100550
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はじめに
現在,骨盤位外回転術(external cephalic version:ECV)は危険であり,やるべきでないとの風潮があり,米国産科婦人科学会(ACOG)などの方針や,それをもとにしていると思われる日本産婦人科医会の研修ノートにも35週以前の外回転は勧めていない。それゆえ,現在日本の産科医はほとんどが危険であると考え反対しているのではないかと思われる。しかし,日本においては十分な症例数での報告はほとんどない。当院では以前より行なっていたが,外回転が技術的に安定した1990年よりデータをとり,試みた約1361例の経験から,妊娠30週より34週くらいまでに行なう外回転が最も安全と思われ過去1例も深刻な副作用はみあたらない。米国のように36週以降に行なうことは胎児も大きくなり,羊水も少なくなり外回転はかえって危険があると考える。
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