特集 骨盤位外回転術
妊娠37週未満に骨盤位外回転術をうけた妊婦の心理・不安と満足
上澤 悦子
1
,
田宮 親
2
1北里大学看護学部
2田宮クリニック産婦人科
pp.547-551
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100551
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はじめに
骨盤位分娩は胎位異常の異常分娩であり,母児共に安全に分娩を終了できることは世界的な課題として取り組まれてきた。FIGO(国際産婦人科学会)のCommittee on Perinatal Healthの骨盤位取り扱いガイドラインやACOG(米国産婦人科学会;American College of Obstetrics and Gynecology)における1950年代からのさまざまな見解の変化を受け,骨盤位外回転術の実施の是非やその時期についてたびたび議論されてきた。しかし議論の多くは医療者サイドからの見解であり,骨盤位妊産婦の心理を反映したものはなかった。
筆者は,一時期は田宮クリニックに勤務していたこともあり,共同研究者である田宮親医師とは20数年の診療上の関係が続いている。その間,妊娠33週前後の外回転術希望妊婦からの予約で外来カレンダーが一杯に埋まる現実を目にしてきた。現在も田宮クリニックには遠方からも施術を受けに妊婦が訪れている。その間ない予約や外回転術実施妊婦カルテの数の前で,ふと私は骨盤位妊婦1人ひとりの心理,特に早期外回転術(妊娠30~37週未満の外回転術)を選択した心理と,外回転術を受けた骨盤位妊婦の主観的な感覚と分娩結果から,外回転術を妊婦自身がどう評価しているかを明らかにしたいと思った。
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