今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて
II 産科の手術・処置
1.妊娠中の手術・処置
4.胎児の外回転術
三宅 良明
1
,
白石 真紀
1
,
山本 樹生
2
1日本大学附属練馬光が丘病院産婦人科
2日本大学附属板橋病院産婦人科
pp.445-447
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904600
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はじめに
骨盤位の頻度は古くにはWiesman(1944)らが妊娠18〜22週で24%,28〜30週で8%,34週で7%,38〜40週で2.8%,また最近の超音波で診断されたScheer&Nubar(1976)の報告では妊娠21〜24週,25〜28週,29〜32週,33〜36週,37〜40週でそれぞれ33.3%,27.8%,14%,8.8%,6.7%とされ,最終的に骨盤位で分娩される頻度は3〜4%と考えられている.また骨盤位分娩は周産期死亡率や分娩時外傷が増加することから,Wright(1959)により骨盤位に対して帝王切開が推奨されて以来,1970年が15%,1989年が84%と骨盤位に対する帝王切開率が急速に増加してきた.しかし,一方では帝王切開による感染,出血,羊水栓塞,静脈血栓などに伴う母体死亡率が約6〜8倍となる1).このような背景と最近の超音波診断,周産期管理の進歩とともに帝王切開率の低下を目的として骨盤位外回転術が試みられるようになってきた.
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