特集 周産期に子どもを亡くした家族に寄り添う
海外文献から周産期喪失を考える
レビュー② 子どもを亡くした後で―その次の妊娠
蛭田 明子
1,2
1日赤医療センター
2聖路加看護大学大学院
pp.967-969
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100432
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はじめに
「早く次の子を元気に産みたい。そうすればこの出来事を乗り越えられるような気がする……」。私がまだ助産師として駆け出しの頃,出産後すぐに子どもを亡くされたお母さまが,1か月健診のときにもらした言葉である。子どもを亡くされたお母さまのケアに初めてプライマリーとしてかかわった私には,これから先この方がどのような体験をするのか想像すらできず,ただ黙って聴いていた記憶がある。
周産期に子どもを亡くされた方が次の妊娠を考えることは,珍しいことではない。その時期はさまざまであるが,悲しみのなかでグリーフワークを行ないながら,次の妊娠について考え始めるときがある。どのような経緯であれ,“次の妊娠”には,周産期に子どもを亡くされた方特有のケアニーズがある。しかし日本においてその研究は十分に行なわれておらず,以下に海外の文献からの知見を交え,医療者として何ができるのか考えたいと思う。
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