特別記事
子どもを亡くした家族への支援―SIDS電話相談の取り組みから
佐藤 睦子
1
,
本田 浩子
1
,
尾形 佳代
1
,
倉橋 俊至
1
1東京都健康局地域保健部健康推進課
pp.772-775
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100551
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子どもの死亡が少なくなっている現代においても,残念なことにその短い生涯を終えてしまう子どもたちは存在する。だからこそ,子どもを亡くした家族は「なぜ,うちの子だけが…」と悲しみが増している。「子どもの死は,おそらく親が一生のうちで遭遇する唯一最も傷の深い体験であろう」(Gorer 19651))と述べられているように,家族の悲しみは非常に深く,私たちからは想像を絶する出来事である。
わが国は,悲嘆反応やその対処の問題は,病的悲嘆反応を除けば家族や個人の問題とされ社会的な課題となりにくい風土であったが,家族や地域社会の変貌や心のケアへの社会的な関心の高まりによって,この問題への関心が高まっている2)。そこで,当課で取り組んでいるSIDS電話相談「子どもを亡くされたご家族のために」(以下「SIDS電話相談」)」について報告したい。
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