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助産師になりたい
「助産師になろう!」そう思ったきっかけは,看護師の母につられて何となく看護学校に通っていたある日,自宅出産についてのテレビを観たことでした。そのなかで助産師は薄暗い部屋で静かに産婦さんに寄り添い,その時を待ち,赤ちゃんを美しく受け止めていました。出産のイメージがほとんどなかったので,その姿が強烈に私の心に焼きついたのです。今でもその人は憧れの助産師です。いざ,助産婦学校に入学したものの,初めての寮生活,オンコール体制による慢性の睡眠不足,空腹(学校の庭の木苺食べたりしたなぁ……)に苦しみました。しかし,そこでは23人の同級生との出会いがあり,励ましあい,ご飯を作ってもらったり(この当時,料理は一切できませんでした)何とか乗り切った1年間でした。何でも話せる親友ができたのもここでした。
自分の身体と向き合うということ
助産婦学校を卒業し,夢見る私は大学病院に就職しました。ところが待っていたのは,毎日のようにある母体搬送と出産に明け暮れ,呼吸器を使用する褥婦さんのケアなどで正直かなり激務でした。そんな状態では具合が悪くても休むわけにはいきません。発熱したら解熱剤に点滴,頭痛・生理痛なら鎮痛剤,胃痛には胃薬と吐き気止め,夜勤後眠れないと言っては睡眠薬とお酒といったように薬漬けの日々でした。どんどん体重も減り続け,このままでは身体を壊す……と思い,4年勤めたところで病院を変えることにしました。
その後,出産・女性の身体を真剣に考える都内の産婦人科小児科病院に縁あって就職しました。ここでは,今でも深いかかわりのある同期5人との出会いがありました。日々熱く出産や母乳育児について夜遅くまで語り,病院のなかではフリースタイル出産,母乳育児,鍼灸について勉強したり,テルミーやホメオパシーなどにも出会い,結婚を機に少しずつ料理もできるようになっていきました。少し,自分の身体を見つめ始めた時期と言えるかもしれません。
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