Current Focus ●術後の妊娠・出産
―進行子宮頸癌に対する妊孕能温存手術―広汎性子宮頸部摘出術後の妊娠・出産の経験
福地 剛
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科
pp.1026-1031
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100318
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はじめに
悪性腫瘍治療の原則は生命予後を少しでも改善することであるが,その一方で比較的治療の侵襲が大きくなる場合が多く,その際の機能喪失,治療後のQOLの低下は無視できない問題である。この点を考慮し,近年では各領域の悪性腫瘍治療において「低侵襲」「機能温存」「縮小治療」というキーワードでの検討がなされている。婦人科悪性腫瘍患者に関しては,女性内性器である子宮あるいは卵巣の摘出は妊孕能の喪失を意味するだけでなく,心理的な喪失感も想像以上に大きなストレスとなることが多い。
本稿では子宮頸癌に対する機能温存治療の新たな選択肢として,広汎性子宮頸部摘出術に触れ,妊孕能温存手術の1つの可能性を紹介したい。
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