連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・16
ケアに言葉はいらない
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.654-655
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100248
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ボランティアの芳恵さん
私の所に芳恵さんという50代の化学者の女性がお手伝いに来てくださった。2人の子どもも育て研究者として働いている方だった。診療自体は,現地語ができない方に手伝っていただけることはあまりなく,主に家事や子どものこと,私のさまざまな愚痴を聞いてくださるなど,精神面を大いに支援して頂いた。そんなある深夜に,お産の呼び出しがあった。
とりあえず一緒にクリニックに行くと2人の産婦がいた。カーテンで仕切られているベッドをのぞき,簡単に問診をする。1番はじめに来たのは,17歳で初産のリサらしい。声の出方から診ると大方子宮口は開いてそうで,早くお産になりそうだ。声が出るのを見て,ティナが付き添っている。
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