インタビュー
―毛利種子さんインタビュー(前編)―妊婦に寄り添うお産は,こうして生まれた
高橋 八重子
1
,
石村 朱美
1
1佐野病院助産師分娩科
pp.448-452
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100211
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自分自身と向き合うお産
今,午前4時。お産が始まった4人目の方に付き添っている。分娩はゆっくり進んでおり,じっと目を閉じたまま何も言われない。あたりも病院らしい物音が何ひとつない静けさが続いている。こんなとき,毛利種子先生の言われた「お産は自分自身の陣痛と向き合うもの」という言葉を思い出す。いま,ここにいるお母さんもそうしているのだろうなあと感じながら,助産師自身も,お産に寄り添っているときは自分自身と向き合っているような気がする。
毛利先生は神戸市東灘区で40年以上開業されている助産師で,病院のなかで助産所のような仕事をしようと始めた私たちの病院内助産所に,技術はもちろんのこと,“魂を持つこと”を教えてくださった恩師である。今回先生にインタビューする機会に恵まれ,そのなかから私たちの心に残ったこと,感じたことの一部でもお伝えできればと思う。
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