特別寄稿
どんな出産なら納得できるだろうか—毛利種子さんの助産法から学んだこと(上)
吉村 典子
1
1呉女子短期大学文化人類学・家政学
pp.50-56
発行日 1995年1月25日
Published Date 1995/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903358
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私の出産観と助産観
産む側から出産を研究しはじめて,もう17年になる。昨秋頃からようやく,「産む人にとって大切なものは何か」がみえてきたような気がしている。
また,産む人自身の持つ主体的な身体観から放たれる「産む気」が,出産という生理的な経過に働きかける影響力の重大さや,本人の出産への納得度との関係など,産婦の心と身体が相互に与えあう効果の妙,不思議……にも気づかされた。さらにそれが,妊産婦との平等な人間観を持つ助産専門家の妊婦教育や出産誘導によってより確実に,より早く実現するものではないかという嬉しい見通しもみえてきたところだ。
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