連載 新生児ケアの不思議考証・Evidence & Narrative Based Neonatal Care
最終回 標識法②
横尾 京子
1
1広島大学大学院保健学研究科
pp.260-263
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100172
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はじめに
本連載第2回目では,新生児個別標識法として身体に直接名前を書く「児体記入」が現在でも実施されていることに疑問を持ち,それが実施されるようになった経緯を探った。その結果,昭和30年代に頻発した赤ちゃん取り違え事故を防ぐ方法として,メディアや法医学の立場から評価されていたことが明らかになった。しかし,平成11年に起きた手術患者取り違え事故の際には,身体にマジックで名前を書く場合には患者に説明して理解を得ることが前提とされた。新生児にはそのような配慮がされているのだろうか。児の身体に直接記入する看護者に抵抗感はないのだろうか。記入された新生児の母親はどのように感じているのだろうか。
今回は,こうした疑問に卒業論文1,2)として取り組んだ竹田まゆ美さん,木戸裕子さんたちの論文の一部を紹介しながら,身体に直接名前を書くことの意義について考えた。
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