特集 母乳外来からみる“お金とケア”の関係
ケアの質と職員の働き方
松村 啓史
1
1テルモ株式会社
pp.228-234
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100166
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
経営的思考のススメ
みなさんは,毎日どんな思いで働いていらっしゃいますか? お金のため? 仕事が好きだから? みなさんそれぞれ思いがあると思います。でも大事なことは,お金は,お客さん(妊婦さん)からもらっているということです。つまり自施設でのお産が少なくなると給料は出なくなります。したがってみなさん全員が経営的な考えを持つことが必要です。
では経営的な考えとは何でしょう? そもそも「経営」とは何でしょう? 経営学で有名なドラッガーは,表1のように語っています。経営の命題,つまり何のために経営を考えるのかというと,自施設の「永続性」のためです。自分たちの産院に永続性がなくなると,妊婦さんは困りますし,みなさんも職場を失います。そのためには,長期的な展望を見据えることが必要です。短期にリストラや経費削減をして利益を生み出すのは簡単ですが,そんな事を最初から実行すると助産師さんはやる気をなくしますし,ひいてはケアの質が落ちて妊婦さんが来なくなります。まず経営の目的であるCS(Customer Satisfaction;妊婦さんの満足)を考えることから始めないといけないのです。そうすることによって顧客の創造と維持ができます。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.