ケースレポート
助産所から母体搬送後,緊急帝王切開となったケースの出産および産褥入院中の体験
横手 直美
1
1広島大学大学院医学系研究科
pp.160-168
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100149
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はじめに
予想外に緊急帝王切開(以下,緊急帝切とする)となった女性の恐怖と衝撃は大きく1),妊婦健診で通院していた施設で手術となった場合にも,分娩に関連したトラウマを有したり2),産褥入院中に急性ストレス反応を呈する者もいる3)。まして他施設からの母体搬送後,早急に緊急帝切となったケースでは,女性の精神的ストレスはさらに大きく,医療環境やスタッフも一変するために自らのニーズを訴えにくい状況にあると推測される。
筆者は大学院で緊急帝切における女性の体験に関する研究を行なっているが,平成16年9月,偶然にも自らが助産所から周産期センターを有する総合病院に母体搬送後,緊急帝切にて出産するという経験をした。そこで本稿では,1人の女性,母親として自らの出産および産褥入院中の体験を報告し,これまでの研究結果を踏まえて若干の考察を加えたい。
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