連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・24
ジャパユキさんの子どもたち
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.276-277
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100075
- 有料閲覧
- 文献概要
貧困解決とジャパユキさん
大人の都合で子どもが犠牲になっている。お金のために結婚すること,フィリピン人を妻に選ぶこと,それぞれの都合もあるのだろうから私が意見できるなどとは思わない。しかし愛情をベースとしない国際結婚の結果,苦しむ子どもたちがいることも疑う余地のない事実である。
2004年の9月のある日,私のクリニックに日本人の子ども(小4と中1)が35歳ぐらいのフィリピン人女性ピナに付き添われてやって来た。「お腹が痛いみたい」というピナの話を聞きながら,彼らに日本語で「どうしたの?お腹が痛いの?」と尋ねたが,うなずく以外ほとんど反応を示さない。病気以前に私の住むこの地域に,日本語しかわからない子どもがいることが余りに不自然だったので,いろいろとピナに尋ねた。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.