連載 やさしい社会保障 政策はだれのもの?・1【新連載】
朝三暮四と侮ってはいけない
八神 敦雄
1
1厚生労働省雇用均等・児童家庭局
pp.64-65
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100032
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故事に学ぶ?
朝三暮四(ちょうさんぼし):中国の春秋時代(紀元前770年~前403年)に宋の国の狙公が,手飼いの猿にトチの実を与えるのに,朝に三つ暮れに四つとしたところ,猿たちは少ないと怒り,朝に四つ暮れに三つとしたら大いに喜んだという故事から,目前の違いにばかりこだわって,同じ結果となるのに気がつかないこと,あるいは,口先でうまく人をだますことをいう。どちらにしろ,あまりいい意味では使われない言葉だ。
猿をヒトに読み替え,一日を一生に喩えて,「朝」はこれから人生が始まる幼少期を意味し,「暮れ」は人生の総仕上げをする高齢期を意味するとしよう。すると話はこうなる。21世紀初頭,場所は東洋の島国のことだ……。
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