症例ライブラリー 周術期の低体温
まとめ—たかが体温と侮るなかれ,刮目して見よ
立花 俊祐
1
Shunsuke TACHIBANA
1
1札幌医科大学 麻酔科学講座
pp.1286-1287
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202760
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日本には周術期低体温を克服するための統一されたガイドラインがない。このことは,周術期の体温管理を難しくする原因の一つであると考える。一方で日本以外には,周術期低体温を定義し,対処方法を詳述した論文やガイドラインがある。医療を取り巻く環境や人種差といった違いはあれど,われわれはこれらを参考にして日々の臨床症例に対応することができる。
周術期低体温は身近に起こり得る現象であり,原因に対して適宜介入することが重要である。過去の研究からも,介入による効果は明らかであるため,麻酔科医が実行可能な予後改善策として,本症例ライブラリーを通じて学んでいただきたい。当たり前ではあるが,麻酔科医のみで周術期の体温管理を行うことには限界がある。術前からの加温など,多職種連携によって解決することが多いということも改めて確認してほしい。
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