書評
『新任期保健師でもできる! おもしろ健康教育のつくり方』
河村 洋子
1
1産業医科大学産業保健学部安全衛生マネジメント学
pp.311
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664202083
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「健康教育」と言うと、情報提供する一方向的な印象があるが、実はそうでない。参加者には健康教育を通じて、自分にとって必要な情報を認識し、落とし込み、活用できるところまでたどり着いてもらいたい。しかし、現代社会でこの目標を達成するのは、容易なことではない。というのは、日々接する情報の量が多く、情報処理を常に行わなければならない生活は多忙感を高めるため、人々はよほど自分にとって意味のある情報でない限り、真剣に向き合うことをしないからである。したがって、健康教育の機会が単なる「情報提供」の場になってしまうと、この目標を達成するのは難しくなる。
それに対して本書は、「面白い、楽しい、ためになった『経験』の場を参加者に提供する」という打開策を極めて実践的に、かつ要点を押さえて説明してくれる。本書が素敵(!)な点はたくさんあるが、誌面の都合で2つに絞ってお伝えしたい。
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