書評
『ネウボラから学ぶ児童虐待防止メソッド』
菅原 ますみ
1
1白百合女子大学人間総合学部
pp.206-207
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201947
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2022(令和4)年のわが国の出生児数は79万9728人で、1899(明治32)年の統計開始以降初めて80万人を下回り、過去最少を更新した。このニュースはマスメディアでも大きく取り上げられたが、私たちの社会に生まれてきてくれた子どもたちを健やかに育てていくことは、大人の責務としてこれまでにも増して重要になっている。一方で、児童相談所の虐待相談件数は2021(令和3)年度も20万7659件と過去最高を更新し、虐待を未然に防いで発生件数を減少傾向に転じさせることは、未だ先の見えない非常に困難な課題であると言わざるを得ない。
このような中、従前より児童虐待に対する早期発見・介入システムとして高い評価を得ているフィンランドの母子保健システム「ネウボラneuvola(アドバイスの場所)」のエッセンスと、その日本への実装を具体的に指南する本書の発刊は非常に重要な意味を持つ。
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