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はじめに
本連載の第1回では、アレルギー疾患基本法とそれに基づく、アレルギー疾患対策基本指針の改正について取り上げました。
第2回は大矢幸弘医師からアレルギー疾患が増加した背景と喘息治療薬の進歩、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの研究の成果に基づいた予防的取り組みの意義が述べられました。
第3回は福家辰樹医師より、最新の知見を身近な生活に落とし込んでQ&A形式で説明されました。
第4回は古川真弓医師より、保健指導に携わっている専門職を対象にした調査結果から、受診のタイミングや受診先、離乳食のタイミングの相談件数が多いことが報告され、エビデンスに基づいた保健指導に活用できるガイドブックが紹介されています。
第5回は岩永幸保健師より、大阪狭山市で妊娠期、生後0〜2カ月、4歳ごろまでのスキンケアを中心とした講習会や相談会を行うことで、乳幼児健診での重症なスキントラブルのケースが少なくなったことが報告されました。
これら第1〜5回では、小児アレルギー疾患について予防の方策が可能になったこと、それに伴って保健指導の内容も大きく変わってきたこと、そして適切な保健指導情報がWebなどからたくさん提供されていることが紹介されています。
今回がこの連載の最終回です。今回はアレルギー疾患の保健指導について、これまで取り上げられていなかった側面から考えてみたいと思います。
1つ目は、アレルギー疾患のある児を持つ親の立場の意見、2つ目は、アレルギー疾患を持つ小学生、思春期の意見、3つ目は、重症のアトピー性皮膚炎でやっと適切な治療を開始した人の意見、そして、医療職の実態と看護の取り組みになります。そして、そこから見えてくる「個の生活に合わせた」EBN(Evidence Based Nursing:エビデンスに基づく看護)の重要性について考えていきます。
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