連載 地域包括ケアシステムの構築に向けた都道府県本庁と保健所による取り組み・4【最終回】
母子の健やかな成長を県および県保健所として支える—「ヘルシースタートおおいた」の取り組み
加来 理香
1
,
市原 恭子
2
,
川井 梨沙
3
,
村嶋 幸代
4
1大分県東部保健所
2大分県福祉保健部こども未来課母子保健班
3大分県豊肥保健所疾病・感染症対策班
4大分県立看護科学大学
pp.516-521
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201897
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はじめに
大分県(以下、本県)は、保健所法の時代から保健所と市町村保健師の連携が強固であり、市町村を支援する保健所の体制が整っていた。さらに2006(平成18)年度から開始した看護の地域ネットワーク推進事業により、行政保健師と地域の看護管理者との連携を確立し、地域包括ケアシステム構築のための多様な取り組みを展開してきた歴史がある。とりわけ地域保健活動の基盤である母子保健において、県庁と保健所が市町村を積極的に支援し、地域包括ケアの仕組みづくりを行ってきた。
近年の母子保健においては、虐待や特定妊婦等のハイリスクケースだけでなく、全ての母子を支えるための医療・保健・福祉・教育等の相互連携が必要であり、県や保健所にはそれらをつなぐ役割が求められている。本稿では、本県における地域包括ケア実現に向けた地域母子保健・育児支援システムである「ヘルシースタートおおいた」(以下、「ヘルシー」)について、本庁と保健所の市町村支援の視点から報告する。
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