- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
著者とYBiTの紹介
「ナッジ(nudge)」の提唱者であるリチャード・セイラーが2017(平成29)年にノーベル経済学賞を受賞して以来,日本でもナッジが急激に広まっています。皆さんも,研修会や学会などで「ナッジ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
本連載の筆者である髙橋,村山,竹林の3人は,横浜市行動デザインチーム「Yokohama Behavioral insights and Design Team」(以下, YBiT:ワイビット)のメンバーです。YBiTは,2019(平成31年)年2月に設立された横浜市役所の有志職員や外部の専門家からなるチームで,ナッジを横浜市役所内に浸透させ,政策の質や市民サービスの向上を目指すことを目的としています。また,毎月研究会を開催し,他の自治体職員や研究者なども交えてナッジに関する知見や事例を共有し,全国へのナッジの普及を進めています。
2019年12月には,環境大臣からナッジ普及の推進役である「ナッジアンバサダー」に任命されました。活動の詳細は,ぜひYBiTのWebページをご覧ください(図1)。
本連載の目的
YBiTの活動を続ける中で,「ナッジっておもしろい」との声をたくさんいただきました。一方で多くの方が,「そもそもナッジって何?」「どうやって事業に取り入れればいいの?」「実践でのポイントは?」などの疑問を持っているようです。
本連載では,皆さんのこうした疑問に答えるため,以下の3点を目的にしていきます。
1.ナッジの基礎を理解できること
2.ナッジ活用ツールであるEASTフレームワークを習得できること
3.ナッジを取り入れた業務を計画・実施できること
また,ナッジの実践事例や国内外の動向,ナッジの注意点や可能性なども紹介していきます。
第1回の達成目標
今回は,「ナッジの概要および保健活動に必要な理由を理解できること」を達成目標として設定します。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.