特別記事
京都大学におけるCOVID-19流行下の保健師課程教育実習①—オンライン代替実習の実践報告
細川 陸也
1
,
平 和也
1
,
塩見 美抄
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
pp.848-852
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201526
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はじめに
保健師助産師看護師学校養成所指定規則において,保健師養成の教育内容は,保健所・市町村を含む臨地実習が必要であると定められています1)。しかし,新型コロナウィルス感染症(以下,COVID-19)の影響で臨地実習の機会は制限されています。演習などの代替措置による知識・技能の習得について通知がなされているところですが,地域特性の理解や地域住民に直接実施する個別指導や健康教育といった実践的な内容を習得させるには工夫を要します。京都大学においても,予定していた5週間の実習のうち4週間をオンライン代替実習で行うことになりました。
本稿では,オンライン代替実習で行った「大学健康管理部門と連携した健康教育」「模擬乳幼児健診のライブ配信」「実務経験者を相談者役とした模擬健康相談」について報告します(表1)。
COVID-19の影響は長期化することが予想されており,SARSやMERSなどの感染症が4,5年ごとに到来していることを鑑みると,現場で求められる保健師の能力を再考していく必要があります。今回の取り組みが“Withコロナ時代”の新たな保健師教育について考える一助となれば幸いです。本稿ではオンライン代替実習の内容や工夫点を紹介し,次号ではその学習成果や今後の課題について報告する予定です。
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