連載 地域・職域の健康課題の見える化と効果的な保健事業・1【新連載】
効果的・効率的な保健事業実施のための方法論—ポピュレーションヘルスマネジメントとは
加澤 佳奈
1
,
森山 美知子
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科成人看護開発学
pp.786-792
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201019
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連載のねらい
2013(平成25)年,「日本再興戦略および健康・医療戦略」として全ての医療保険者に対し,加入者が持つ健康課題の見える化(明確化),課題への対応策立案,実施の評価を推進すること(データヘルス計画)が閣議決定されました。このとき保険者,中でも保健専門職には,レセプトデータ,健診データなどの健康関連情報を分析し,健康課題に対する保健事業の立案(Plan),対象者の健康リスクに応じた保健指導の実施(Do),評価・改善(Check&Act)における中心的役割を果たすことが求められています。
広島大学成人看護開発学研究室では,2010(平成22)年から全国に先駆けて医療保険者,医療機関と共同し,医療保険者が持つレセプトや健診データから支援が必要な糖尿病性腎症患者を抽出し,セルフマネジメント能力の向上を目指した保健指導を実施しました。その結果,対象者の行動変容,血糖や血圧の改善,腎機能の維持といった成果を挙げることができました1,2)。その他,慢性疾患患者の重症化予防プログラム,医療費・介護費分析など,医療保険者,地域,企業,医療機関と連携した研究を実施しています3,6)。
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