調査報告
へき地の地域特性に応じた発達障害児の早期支援のための体制構築
子吉 知恵美
1
1石川県立看護大学地域・在宅・精神看護学
pp.610-614
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200978
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
緒言
発達障害児は保護者にとって,育てにくさ,関わりにくさが伴うことが多い。子どもが持つ,育てにくい特徴が正しく理解されず,保護者の周囲に一緒に子育てをしてくれる支援体制がない場合に虐待が招かれやすいことが指摘されている1)。また,発達障害児は就学後に学級への不適応を伴うこともある2)。このことから,発達障害児の早期療育の重要性が指摘されている3)。
へき地における発達障害児への支援では,療育機関がなく,とりわけ支援体制が不十分な現状がある。ある離島における調査では,保健師は発達が気になる子どもの保護者の保健指導に困っているという結果が示された4)。保健師が困っている内容として,保健師は診断をしないため親に対しどう伝えたらいいかということ,親が子どもの発達に関して全く気にしていない場合は話しにくいということ,保護者が発達の基礎的なことが分からないということ,支援体制がないことなどの課題が挙げられている。へき地では人的・社会的資源の不足によって発達障害児が必要な時期に必要な支援を受けられない状況があることが指摘されている4)。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.