特集 病院として介護保険にいかに対処すべきか
介護保険への取り組み—包括的地域ケア支援体制の構築を目指して
中根 惟武
1
1寿量会熊本機能病院
pp.543-545
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902723
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地域ケアに取り組む足跡
医療法人寿量会熊本機能病院は80床の整形外科,形成外科を中心とした病院として熊本市北部に1981年4月開設された.開設時,病院の基本理念は「救急からリハビリテーションまでの一貫した医療を行うこと」を掲げた.その後順次,病棟を410床に増床し,ドーム型のリハビリテーションセンターを建設した.当法人は1988年には老人保健施設清雅苑を,1989年には熊本体力研究所を同一敷地内に併設し,医療,保健,福祉が連携しサービスを提供する組織が確立した.
さらに在宅療養者に対する種々のサービス業務(内容:訪問看護,訪問リハビリテーション,ホームヘルパー派遣,ふれあいランチ配食,老人保険法に基づく機能訓練,在宅介護支援センター,テクノエイドセンター)をきめ細かく実施する体制を整備してきた.1995年にはこれらの事業をすべて統合し,地域ケア支援センターを当法人建物群の中央部に設置した.現在,この地域ケア支援センターが中心となって地域ケアサポートシステム(図)を構築している.そして総合的,効率的に,質の高い在宅支援サービスが24時間提供できる体制とした.ここには医療ソーシャルワーカ(MSW),保健婦,社会福祉士,相談指導員,訪問看護ステーションの管理者などが常勤している.
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