研究
他者の介入を拒否する一人暮らしの男性高齢者への保健師の家庭訪問技術―対象把握から受け入れまで
岡本 玲子
1,4
,
我澤 量子
2,4
,
小出 恵子
3,4
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
2宇治市福祉こども部保健推進課
3四天王寺大学教育学部
4前岡山大学大学院保健学研究科
pp.422-431
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200692
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■要旨
本研究の目的は,他者の介入を拒否する一人暮らしの男性高齢者(以下,事例)への保健師の家庭訪問技術(以下,技術)を明らかにすることである。
方法は,事例経験のある保健師9人を対象に半構造化面接を行い質的記述的に分析した。
その結果,日頃の保健師活動の過程では,地域課題の早期感知・即応の備えに向けた2つの技術,事例把握から初回訪問までの過程では,拒否事例放置のリスクアセスメントのための2つの技術,初回訪問拒否回避準備のための2つの技術が抽出された。初回訪問から保健師の受け入れまでの過程では,拒否されない初回訪問の成立のための技術,拒否の解凍確認と継続訪問による支援の開始のための3つの技術,生存リスク低減と包括的・実質的支援の準備のための2つの技術,保健師の受け入れから他者の受け入れまでの過程では,地域・関係機関による包括的・実質的支援の成立のための3つの技術が抽出された。
今後,これらの技術の習得プログラムの開発と保健師教育への導入が求められる。
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