特集 保健活動の対象を捉えなおす
母子保健における活動対象の「把握」の現状
島田 美喜
1,2
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
2前 厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
pp.193-197
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100054
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厚労省母子保健課では市町村での母子保健事業の実施状況を調査した。ところが,外部委託も多い今日,対象者どころか実施実人員なども把握されていない実態が見えてきた。
「乳児健診等実施状況調査」の実施経緯
厚生労働省母子保健課は,2004(平成16)年9月7日付で「乳児健康診査等に係る実施状況調査」を実施した。そもそも,なぜこの調査を実施するに至ったかというと,1998年度には妊産婦健診,2000年度には乳児健診が地方交付税措置され,市町村は対象者数や受診者数などを補助金実績報告として厚労省に報告する義務もなくなり,これらの数を母子保健課として把握できなくなっていたからである。「地域保健・老人保健事業報告」で妊産婦健診および乳児健診の受診実人員と延べ人員が調査されているが,この調査では乳児はひとくくりとなっており,たとえば乳児健診の場合には1歳未満のどの時期に何人受診したのかはわからない。乳児健診受診実人員といっても,3か月健診受診者なのか,9か月健診受診者なのかはわからない調査となっていた。
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