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「空き家」に“集い”元気力を発信―新任期保健師の視点から見えてきた保健活動/「空き家」から元気力を発信―「大竹さん家」での保健活動の実践
島田 航至
1
,
木村 真利
2
,
川名 ヤヨ子
3
1九十九里町役場住民課
2いすみ市役所健康高齢者支援課
3前了徳寺大学
pp.371-373,414-419
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200691
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はじめに
わが国は,少子高齢化による人口減少という大きな課題に直面している。各自治体では地域の特徴を活かして,自立的で持続可能な社会に向けた保健活動を推進している。
私たちは,地域住民と専門職ボランティア(退職後の保健師・看護師と新人保健師)の協働により,ともに「空き家」に集い,心身の癒しを仲間と共有し,疾病予防や健康の知識・技術を学び,あらゆる年代が交流する“場”として「空き家」が元気づくりの発信地となるよう取り組んでいる。
地域に息づく民家の歴史が伝える地域住民の馴染みの場所において,ベテラン保健師の長年培った知識・技術と,住民のありのままの暮らしぶりが共鳴し,新人保健師の明るい笑顔と成長する姿が「空き家」に集う住民の生活や元気力として習慣化している。
本稿では,この「大竹さん家で元気になる会」の自主活動として,俯瞰的視点から取り組む先駆的活動の実際を紹介する(本活動は,いすみ市元気な高齢者地域活動推進モデル補助金の交付を受けている)。
千葉県いすみ市は農業が盛んな土地だったが,少子高齢化や若者の都市への流出で,高齢者の単身世帯や老夫婦世帯が多くなった。そのような中,空き家となった家が「地域で役立ててほしい」と提供され,地域住民の世話役,それに保健師などの専門職が協議し,この空き家「大竹さん家」を活用する保健活動が始まった。「空き家」「地域」再興に向けた活動を紹介する。
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